『ダイナマイト・ソウル・バンビ』公開前 監督インタビュー!
― 映画『ダイナマイト・ソウル・バンビ』の監督・脚本・編集、そして主演を務める松本卓也に、9/10から新宿K’s cinemaさんにて始まる一週間限定レイトショー公開直前インタビューを行います!まずはあらすじを教えてください。
松本:僕が演じるのは若手インディーズ映画監督の山本です。バイオレンス映画が得意で映画祭などで名が上がってきたところ、天野プロデューサーという人に出会い、なんと初商業映画を撮ることが決まりまして、今まで支えてきた仲間たちみんな一緒に新作長編映画の撮影に臨みます。初めての商業の現場ということでプロのスタッフも入って、撮影合宿がスタート。その様子を知り合いの先輩監督の谷崎がメイキングカメラを回すということで現場に張り付いています。山本監督が気張って撮影していく様子を谷崎はずっと淡々と撮っていく、という話です。
『ダイナマイト・ソウル・バンビ』劇中写真
― 今作は、その谷崎が撮っているメイキング映像と、山本監督が撮っている劇中劇で構成されているんですよね。
松本:そうですね。メイキングの映像だけじゃなくて、山本監督の過去の短編映画が入ってきたり、山本組が撮影している初商業作品『ダイナマイト・ソウル・バンビ』の劇中カットが挿入されてきたりと、メイキング映像と本編が入り混じった新感覚な映画を目指して作りました。
― つまり1本の長編映画の中に、短編が2本、劇中で制作中の長編映画のカット、そしてそれを撮っているメイキング映像も一緒に見られる、という構造ですね?
松本:はい。僕はDVDでも映画を見るんですけど、DVDだと本編映像の他に舞台裏の様子が分かるメイキング映像がおまけで入っているものもあって。本編を見終わった後にメイキングを見て、こういう風に撮ってたんだ、と新しい側面が見えた後に、もう一度本編を見直すとより本編が楽しめる、みたいな、あのメイキングと本編を行き来する楽しさを映画館に持ってったら面白いんじゃないかと思って制作しました。ここは見どころの1つですね。あと、映画祭に参加する醍醐味は、いろんな作品が次々に見られる事ですけど、短編映画祭で短編を1本見て、すぐまたリセットされて違う短編が始まって、というあれと似た感覚が味わえるのもポイントです。
― 言葉だけだと想像できないかもしれないですが、百聞は一見に如かず!ぜひ劇場に足をお運びいただきたいですね。最近の松本監督の映画って、「誰かが撮っている映像だけで繋いでいる」という作品が何本かありますよね。その集大成的な感じなんですか。
松本:『サーチン・フォー・マイ・フューチャー』と『ミス ムーンライト』については、手持ちカメラで撮った映像だけだったんですけど、今作は、+αで本編が入ってくるっていうのが新たな試みです。
― 松本組としてのメイキングは撮らなかったんですか?
松本:本当は撮りたかったんですけど。本編のメイキングパート撮影担当の増本さんが、余裕ある時だけ撮影してくれてます。けど20分満たないくらいしかないと思う。
― 増本さんは、谷崎役の岡田さんと一心同体でカメラを回していたんだから、メイキング撮る余裕なんてないですよね。
松本:そう、ないんです。なのに、自分から「こういうリアルなのも撮っておけば使えるんじゃないですか~?」と言ってくれてたんですけど、そんな余裕当然なくて。ほんとに余裕ある時に、3~5カットぐらい一気に同じ瞬間に撮ってて。笑
― 急に思い出した様に。笑
松本:だから満遍なく撮ってるわけではないです。
谷崎役の岡田さん(左)と撮影担当の増本さん(右)
― この映画を撮ることになったきっかけは、名古屋のミニシアタ―「シネマスコ―レ」さんが主催している「Filmusic in中川運河」 ですよね。
松本:僕の過去作に『ライブハウス レクイエム』という長編映画がありまして、シネマスコ―レの支配人と副支配人お二人共に気に入っていただいて。お二人は趣味が違うので同じ映画を良いっていうのは珍しいみたいで。すごく応援してくれて、シネマスコ―レで『ライブハウス レクイエム』のロ―ドショ―までしていただいて。で、そんな中で木全支配人が、名古屋の中川運河をテ―マにした短編のオムニバス映画を企画している、と。その内の1本をやってみないか?とお声がけいただき、是非やらしてください!ということで始まりました。で、せっかく撮影で愛知へ行くんだったら、長編映画にもなるような企画にしたいなと思って。編集で短編と長編の2バ―ジョン作れるようにしました。
舞台になった中川運河
― 短編だって言ってるのに「せっかくだから長編にしよう」という発想が流石松本カントクですね…笑 撮影はいつ頃でしたか?
松本:合宿は、2017年の10月に2週間ぐらいやって、その後11月かな、もう一度すぐに1週間ほど行ってるんです。あとは東京に帰って来てから2~3日撮影しました。
※後で調べたら合宿は11月中旬に1週間、11月下旬に3日間、でした。(記憶の半分)
2回目の名古屋撮影集合写真
― その後も追加撮影してますよね。
松本:はい。まず短編オムニバスの納品日があったんで、先に短編バ―ジョンを編集して。長編の方はじっくりと編集してきました。映画祭にも出品して上映されたりもしたんですけど、補足したいことが出てきたりして。2020年の3月かな、追撮を東京で行いました。それまでは、海外の映画祭を中心に色々応募してて、劇場公開も目指してたんですけど、新型コロナウイルスがちょうどその追撮の後ぐらいに蔓延し出して。なので劇場公開は先送りにしちゃってました。その分海外の映画祭に作品だけでも参加してどんどん広めてこうってことで、この数年間はそちらに費やしてました。
― 色んな国の映画祭に入選しましたよね。2019年に韓国のプチョン映画祭には皆で参加して、でもその後は現地に行けなかったのは残念でしたね。
松本:やっぱりそこは残念なんですけど、でも自分が行けなくても映画祭で作品だけでも上映してくれるっていうのはとてもありがたいことだなと思います。そして、腹をくくってこぎつけた劇場公開が決定した後、2022年7月、つい最近も追撮しました。
唯一参加できた海外映画祭 韓国のプチョン映画祭にて
― キャスティングはどのように行われたんでしょうか?
松本:企画の内容的に、主演の1人の山本は僕がやる事にしました。ギリギリまで他にもいるかなとも考えてたんですけど。他のキャスティングについては、なぞるようなところもあった方がいいんで、山本の仲間は僕の映画の常連役者さんにお願いしたり。あとは、シネマスコ―レさんに主催していただいて、いわゆるキャストオ―ディションの面接を愛知で行いました。そこからもキャスティングされてます。あとは撮影現場の話なんで、全く出演とかしたことないし、興味も当然ないようなスタッフにも無理言って何名か出てもらってます。いろんな人が出演してますね。
― キャッチコピーに「映画づくりは遊びじゃない!」というのがありますね。松本監督はなぜか「仕事」はやりたがらないと思われてるみたいなところが世間的にあると思うんですけど…そんな事はないですか?
天野プロデューサーがギロリ
松本:それは全くの誤解ですね!そんな話がありますか?映画の場合は自分が企画してやりたいものを撮ることが多いですけど、こういうテ―マで映画を撮ってほしい、なんてこともあります。ウェブCMなどでクライアントさんの要望に沿ったものを作るのもすごい楽しいですね。好きなもの撮ってるから仕事はしたくないと思われてんのかな。実は、お笑い芸人をやってた頃から培ってきたものというか、大喜利じゃないですけど、お題目や要望があって、そこに対して色んな提案をして、色んなパタ―ンを考えるっていう事は得意です。そうして作ったものは結構ご満足いただいてるんじゃないかなと。お仕事、どんどん募集してます!
― はい。皆様、何かご依頼ありましたら、よろしくお願いします。
松本:それこそ、今作は撮影現場で色々巻き起こる話だけど、もちろん映画をやってる人だけじゃなくて、日々会社で仕事をしながら揉まれている人たちにも、見ていて何かしら重なる部分があるといいなと思っています。ぜひ多くの方に劇場でご鑑賞いただけると嬉しいです!5年ぶりの劇場公開で、大変気張っております!!会場でお待ちしております!何卒、何卒!
― 止まらなくなってきました。
松本:宣伝活動も頑張っています!こちらのYouTubeも見てください!よろしくお願い致します!!
💥YouTube 宣伝動画ダイナマイト告知活動💥
💥公開前記念5時間(もとい4時間)ぶっ通しトークショー「ダイナマイト生配信 #ダイ生」💥
聞き手:シネマ健康会スタッフ 中條
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『ダイナマイト・ソウル・バンビ』1週間限定レイトショー
期間:9/10(土)~9/16(金)
劇場:新宿K’s cinema
時間:連日20:30~/上映後はイベントトークショーアリ!
【予告編】